UCHIDA'S DINING JOURNAL
ザ・晩餐会 アントナン・カレームと森の夜会
コースの流れ
| # | 料理 | 素材・特記 | ペアリング |
|---|---|---|---|
| ウェルカム | アミューズ7点 | 待合室で一つずつ供される質の高い品 | 🥂 ニコラ・フィアット |
| アペリティフ | — | 透明な達磨瓶が特徴。着席後に全員へ | 🥂 ルイナール・ブラン・ド・ブラン |
| スープ | ポタージュのコンデ風(ロスチャイルド家に響く親子のさえずり) | 鶉・赤インゲン・香味野菜のスープ。皿の外に赤ワイン漬けの鶉茹で卵とジャガイモで編んだ鳥の巣。4大ソースのソース・ヴルーテに相当。インゲン豆の風味が強すぎ鶉の風味は感じられずあまり美味しくなかった | |
| 魚料理 | 鱈のグリル・イタリア風シャンパンソース・愛の泉ヴォ・ロ・ヴァン | イタリア風=ニンニクと香味野菜入りのソース。1829年シャトー・ロスチャイルドと食した記録から再現。付け合わせが多すぎ、もっとシンプルにしてほしかった | 🍷 サヴィニエール2011(ニコラ・ジョリー/シュナンブラン・白・皮ごと長時間漬込みで異様に黄色) |
| 口直し | ラム酒のお口直し・アントナンのお気に入り | ロシアのコース料理でカレームが感じ入った文献から。印象はあまりなかった | |
| 肉料理① | 牛フィレ肉・ペリグー風・ピエスモンテの栄華 | 刻みトリフ入りソース・ペリグーは4大分類のソース・エスパニョールに相当。1821年の記録から再現 | 🍷 エコ・デイ・ランシュ・バージュ・ポイヤック2010(ランシュ・バージュのセカンド・赤) |
| 肉料理② | 鴨の胸肉の薄切り・ピガラード風・英国ブライトンの厨房 | ブライトンのロイヤル・パヴィリオン晩餐会の記録から。薄切り鴨の下に相性の良いオレンジの剥き身。メインゲスト近くでデクパージュの実演 | 🍷 ヴォーヌ・ロマネ2006(赤) |
| チーズ | 熟成ブリー | 文献で至高のマリアージュと絶賛されたエミリオ・ルストーのインディア・オロロソ(ドライでない甘いシェリー)と合わせる。200年前のカレームの組合せを再現 | エミリオ・ルストー インディア・オロロソ(甘口シェリー) |
| デザート | リンゴのメレンゲ包み・ハリネズミ見立て | 1817年ロイヤル・パヴィリオン晩餐会から。甘煮リンゴをメレンゲで包み目をつけ背にスライスアーモンドを刺す | |
| 〆 | コーヒー / お土産にエクレア2種 | エクレアはカレーム考案のお菓子にちなむ |
ペアリングの要点
**最後の2皿はセオリー通りのマリアージュ**
- 四足(牛フィレ)はボルドー(ランシュ・バージュ)、二つ足(鴨)はブルゴーニュ(ヴォーヌ・ロマネ)
- 2種の赤はいずれも内田氏の大好きな銘柄で甲乙つけがたい互角の味わい
**チーズ × 甘口シェリー**
- 熟成ブリーに甘口のインディア・オロロソ。200年前のカレームの推奨を体験
内田氏のコメント
- ボールルームに19世紀様式の巨大な馬蹄形宴席、菓子の塔、ろうそく点火の実演で昔にタイムスリップした心地
- サービスは各地から集まったレストラン・サービス一級資格取得者ばかりで、古典好きの内田氏には甘美に響いた
- カレームの逸話を司会が解説:タレイラン家のお抱えコックとして、シャトー・オーブリオンと優れた料理で英国の交渉人を満足させ賠償交渉をフランス有利に導いた
- カレームの功績:500種あったソースをベシャメル/ヴルーテ/アルマンド/エスパニョールの4つに体系化、建築学を取り入れた巨大な菓子オブジェ、エクレア、プチ・フール、コック帽、生クリームの絞り袋、卓上の花飾り、ウエディングケーキ(ナポレオンとジョセフィーヌの結婚式)を考案。エスコフィエの著書はカレームを基礎とする
- 歴史的料理が美味しくないとき、もともとの味なのか現代の再現の器量不足なのか毎回迷うと所感
- 文献を調べ本格的に再現する熱意が伝わり心地よい緊張感が漂った。ほぼ全員が正装の中ラフな格好だったが両隣との会話が楽しく服装は忘れた。「たまにはこういう大料理長を回顧する催しがあると楽しい」
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