※ フランスおよび日本の旬を参考に整理。各店の仕入れにより異なります。
最盛期 出回り期
フランス語で「セップ(Cèpe)」、イタリア語で「ポルチーニ(Porcini)」。肉厚で旨みが強く、フレンチではリゾット・ソース・ガルニテュールに多用される。東急セルリアンではブリオッシュを茸型に焼くほどシェフの愛着深い食材。
安曇川産天然鮎は比良山荘夏のコースの主役。炭火焼きで一晩に7匹、蓼酢添え。「生まれて初めて」と内田氏が記録。2016ムルソーとの驚愕のマリアージュで知られる。
明石海峡産の高級エビ。甘みが強い。ラ・ジュネスでは低温ロテイで火を入れ、海老出汁×ミカンの2色ソースと合わせた。
旨みが強く肝が特に珍重される。アムールでは昆布締めにして肝ソースをかけ、「美白」という料理名で提供された。
| 技法名 | 分類 | 解説 | 日記での登場 |
|---|---|---|---|
| Poêlé ポワレ(フライパン焼き) | 加熱 | フライパンにバターを熱し食材の表面に焼き色を付けながら火を通す。ポワレ後にオーブンで仕上げる方法も一般的。 | ラ・ジュネス(牛腿肉) |
| Rôti ロテイ(ロースト) | 加熱 | オーブンの乾燥した熱で食材全体を均一に加熱。鳥類・骨付き肉・大型魚に向く。バスティング(脂をかけながら焼く)が重要。 | ラ・ジュネス(エビ) |
| Confit コンフィ(低温油脂漬け調理) | 加熱 | 油脂の中で低温(70〜90℃)でゆっくり加熱。柔らかく旨みを閉じ込める。鴨の腿肉コンフィが古典的な代表例。 | ロドラント(小鳩) アムール(青首鴨) |
| Espuma エスプーマ(泡仕立て) | 成形 | サイフォンで素材を細かい泡状に仕上げる技法。プレスキルでは牡蠣スープのエスプーマを魚エキスで作成した。 | プレスキル(牡蠣スープ) |
| Nage ナージュ(香味出汁) | ソース・出汁 | 魚介・野菜・ハーブ・白ワインから取る軽い香味出汁。「素材をスープに泳がせる」イメージで提供する。 | 東急セルリアン(鮮魚) |
| Parmentier パルマンティエ(ジャガイモ料理) | 料理様式 | フランスにジャガイモを広めたパルマンティエ氏の名を冠する。ジャガイモ(または野菜)ピューレを使った料理全般を指す。 | 東急セルリアン(イノシシ) |
| Millefeuille ミルフィユ(千層) | 成形 | 「千枚の葉」の意。薄くスライスしたジャガイモを層状に重ねてグラタン風に焼く「ジャガイモのミルフィユ」が古典的。 | ラ・ジュネス(ジャガイモ) |
| Dauphine ドフィーヌ(ジャガイモの揚げ物) | 加熱 | ジャガイモのピューレとシュー生地を混ぜて揚げたガルニテュール。外はカリカリ、中は柔らかい。 | トレフ宮本(鹿肉) |
| Tarte Tatin タルト・タタン(逆さタルト) | 製菓 | タタン姉妹が偶然発明した伝統タルト。カラメル化したリンゴを下に敷いて焼き、ひっくり返して供する。 | ラ・ジュネス(リンゴ) |
| Crêpe Suzette クレープ・シュゼット(フランベ) | 製菓・演出 | バターとオレンジソースでクレープを温め、リキュールでフランベするテーブル演出デザート。プレスキルでは柚子風味で実演提供。 | プレスキル(柚子風味) |
| Baba ババ・オ・ラム | 製菓 | ラム酒シロップをたっぷり含浸させた伝統菓子。ポーランド起源、ナンシー経由でフランスに定着。 | プレスキル(小さなババ) |
| Brunoise / Julienne ブリュノワーズ・ジュリエンヌ(野菜の切り方) | 下処理 | ブリュノワーズ(2mm角の賽の目切り)とジュリエンヌ(細千切り)は古典フレンチの包丁技術の基礎。ソース・コンソメの浮き具材に使われる。 | — |
ジビエとは野生の鳥獣のこと。フランスではラ・シャス(狩猟)が文化に根付いており、秋の解禁とともに古典フレンチのメニューに登場する。日本のジビエは北海道・本州の山野を舞台に、蝦夷鹿・月輪熊・穴熊・猪などが供される。内田氏の日記は日本における最高水準のジビエ料理を数多く記録している。
本州鹿より体格が大きく脂の乗りも良い。北海道全土に安定供給。ポワヴラードソースや赤ワインソースとの親和性が高い。
| 性別・月齢 | 牡・2〜4歳が最良。牝は繊細な旨みあり |
| 旬 | 10月〜2月(解禁直後が最も良質) |
| 締め方 | 即殺・即血抜きが必須。首切りまたは放血 |
| 熟成 | 枝肉熟成 7〜14日が目安(0〜2℃) |
蝦夷鹿より小柄できめ細かい肉質。比良山荘・トレフ宮本で登場。ポワヴラード+サヴァイヨン2色ソースで供された。
| 性別・月齢 | 牡・2〜3歳。牝の方が脂肪少なく繊細な傾向 |
| 旬 | 11月〜2月 |
| 締め方 | 銃猟後の即放血が品質の鍵 |
| 熟成 | 5〜10日の枝肉熟成 |
比良山荘の冬名物。昆布+鰹+はちみつ出汁の鍋で提供。「野生なのに脂身が上品で全く臭みがない」と内田氏が驚嘆。
| 季節・個体 | 夏熊(6〜9月)が脂の乗りが良く最良 |
| 部位 | 背油付き薄切り(比良山荘スタイル) |
| 出汁 | 昆布 + 鰹 + はちみつ(20年かけて完成) |
| 熟成 | —(鮮度が命) |
クマとは別種のイタチ科。秋に脂が乗り旨みが増す。フランスでは伝統的ジビエ。煮込みやコンフィに向く個性的な食材。
| 旬 | 11月〜1月(越冬前に脂の乗りが最高) |
| 調理法 | 長時間煮込み・コンフィが向く |
| 熟成 | 3〜5日の熟成推奨 |
秋にサーモン・木の実を食べた個体は脂に甘みが増す。ツキノワグマより大型。強い個性ゆえ煮込み・塩漬けが向く希少食材。
| 最良季節 | 9〜10月(サーモン期後が特に良質) |
| 個体 | 若い個体(2〜4歳)が食材として良い |
| 調理適性 | 長時間煮込み・テリーヌ・塩漬け |
| 留意点 | 旋毛虫(トリヒナ)対策として加熱必須 |
中台原産の小型鹿が日本に定着。5〜15kgの小型で肉質は淡白・きめ細か。シカより野趣味は少なく繊細な調理に向く。
| 特記 | 特定外来生物のため、取引には規制あり。駆除個体の有効利用 |
| 旬 | 秋〜冬(脂の乗りが最良) |
| 調理適性 | 丸焼き・ロースト・テリーヌ。小型なので1頭丸ごと調理も可 |
日本産は特別天然記念物で食用禁止。古典フレンチでは欧州産グラウスを使用。山岳のハーブを食べた独特の芳香が特徴。
| 使用種 | スコティッシュ・グラウス(英)、ライチョウ(北欧)など |
| 旬 | 8月12日(英国グラウス解禁日)〜12月 |
| 調理法 | ロースト(伝統的な英国スタイル)・サルミ |
| 熟成 | 羽付き吊るし熟成(ハング)が古典的手法 |
野生鴨の代表種。網猟で捕獲した個体は肉質が格段に上質。古典的なサルミソース・炭火焼きとの相性が抜群。
| 網猟の優位性 | 散弾が肉に入らず、即締め即血抜きが可能。血のにごりがない |
| 旬 | 11月〜1月(渡り鴨として飛来直後が最良) |
| 締め方 | 頸骨脱臼(首折り)による即殺 |
| 熟成 | 羽付き吊るし熟成 3〜7日(冷蔵) |
「ジビエの女王」。内臓ごとローストし、腸をカナッペに塗る古典調理が特徴。ソース・サルミの最高素材。
| 古典調理法 | 内臓抜かずにローストし、腸をトーストに塗る(サルピコン) |
| 旬 | 10月〜12月(フランス解禁シーズン) |
| 熟成 | 羽付き吊るし熟成 5〜10日が古典的手法 |
| 希少性 | 年々捕獲数が減少。最高峰の希少ジビエ |
古典フレンチの定番ジビエ。若鳥「ペルドロー」が最上品。「ペルドロー・オ・シュー(キャベツ煮)」はエスコフィエの古典レシピ。
| 月齢区分 | ペルドロー(当年・3〜5月生まれ)が9〜11月に最良 |
| 調理法 | 丸ごとロースト・テリーヌ・ブレゼ(キャベツ) |
| 熟成 | 羽付き吊るし 3〜5日 |
フランス南西部ランド産の至高の小鳩。胸肉ロースト+腿肉コンフィで二種類の食感を楽しむ。ロドラントでグリーンピース×巨峰と合わせた。
| 旬 | 8月〜10月(ランド地方の解禁に合わせ渡りの時期) |
| 調理法 | 胸肉ロースト(サニャン=ロゼ仕上げ)+腿肉コンフィが古典的 |
| 熟成 | 羽付き 2〜4日 |
最も古典的なジビエのひとつ。ラ・ジュネスのジビエテリーヌでは鳩・イノシシ・鹿と4種のモザイク模様に使用。
| 性別 | 牝の方が肉質が柔らかく上品。牡は羽が美しく料理演出に使用 |
| 旬 | 10月〜12月(日本での解禁期) |
| 熟成 | 羽付き吊るし 5〜10日が古典的(フランス流) |
| 調理法 | 丸ごとロースト・テリーヌ・シヴェ(ワイン煮込み) |
家畜・家禽は産地・飼育環境・性別・月齢・餌・肥育方法が品質を大きく左右する。和牛の銘柄や鴨のフランスブランドなど食材の素性が料理の格を決定づける。
日本最古の銘柄和牛。牝は上品な脂、去勢は力強い霜降り。肥育月数32ヶ月以上が最高等級の目安。古典フレンチでも低融点の脂が高く評価。
| 性別・月齢 | 牝:28〜32ヶ月 / 去勢:28〜36ヶ月 |
| 餌 | 稲わら・トウモロコシ・大豆粕ベースの配合飼料 |
| 格付け | A5〜A4(BMS No.8〜12が珍重) |
| 熟成 | ウェットエイジング 30〜60日 / ドライエイジング(近年増加) |
| 主な部位 | サーロイン・フィレ・リブロース・シャトーブリアン |
「牛肉の芸術品」。未経産牝のみという厳格条件。極めて低い融点の脂が特徴で、フランス料理シェフにも高評価。
| 性別・月齢 | 未経産牝のみ。肥育期間 900日以上が特産松阪牛の条件 |
| 餌 | 良質な乾草・ビール粕・麦類の伝統的配合 |
| 格付け | A5 BMS No.10〜12が最高峰(特産松阪牛) |
| 特徴 | 脂の融点が人肌以下で、口の中でとろける食感 |
神戸牛・松阪牛・近江牛の素牛となる但馬系統の黒毛和種。但馬地方仕上げの「但馬牛」そのものも最高品質として珍重される。
| 血統 | 但馬牛系統。日本の和牛遺伝子の原点 |
| 特徴 | 骨格細く赤身と脂のバランスに優れる。きめ細かい霜降り |
| 位置づけ | 素牛として全国に供給される和牛改良の礎 |
ホルスタイン・交雑種が主。赤身の旨みが強く、経産牛の長期熟成材はブレゼ・煮込みに最適。フランス料理の古典的ブレゼ用として活用。
古典フレンチの基本。シャロレー(赤身の旨み)・リムーザン(万能)・ノルマン(脂のコク)。牧草肥育のミネラル感が古典の基本を支える。
| シャロレー | フランス・ブルゴーニュ原産の大型白牛。赤身の旨み強く、ロースト向き |
| リムーザン | フランス中部原産。赤身のきめ細かさで高評価 |
| 熟成 | ドライエイジング 28〜60日が欧州標準 |
| 飼育 | 牧草肥育が伝統。仕上げに穀物を使う場合もある |
USDA Prime(米)が最高格付け。豪州はグラスフェッドが基本だがワギューF1のグレインフェッドも人気。コストパフォーマンスの高さで日本でも広く使用。
古典フレンチのシャルキュトリー文化の中心食材。国産黒豚(バークシャー)が高評価。イベリコ豚のベジョータ(ドングリ肥育)が国際的最高峰。
| 性別・月齢 | 去勢牡・未経産牝が一般的。6〜8ヶ月が食肉適期 |
| イベリコ格付け | ベジョータ(ドングリ)> セボデカンポ(混合)> セボ(穀物) |
| 熟成 | 生ハムは24〜48ヶ月以上の乾燥熟成(イベリコ) |
| 古典用途 | パテ・テリーヌ・シャルキュトリー全般。ポー・カシェとして煮込みに |
約45〜50日の超短期肥育で柔らかいが旨みは少ない。コック・オ・ヴァンや鶏のクリーム煮など、ソースで補完する古典調理に向く。
在来種50%以上・放し飼い・80日以上飼育のJAS基準。ブロイラーより旨みが格段に上。ロースト・ポワレで最も個性が際立つ。
| 三大銘柄 | 名古屋コーチン(愛知)/ 比内地鶏(秋田)/ 薩摩鶏(鹿児島) |
| 飼育日数 | 80〜120日(ブロイラーの約2倍) |
| 肉質 | 締まった赤身・骨周りの旨み・弾力のある食感 |
| 古典向き調理 | 丸ごとロースト・ポワレ・コック・オ・ヴァン |
鶏と野生鳥の中間的家禽。普通の鶏より赤みが強く野趣味あり。ブレス産ピンタードが最高品質。ジビエ的調理との親和性が高い。
| 月齢 | 若鳥(ピンタドー):3〜4ヶ月が最良 |
| 飼育法 | 半放し飼いが標準。完全放し飼いで野趣味が増す |
| 調理法 | 丸ごとロースト・コンフィ・クリーム煮(ブレス風) |
フランス最高級飼育鴨。野生に近い環境で育ち旨みが濃い。「プレッセ(押し鴨)」はパリ・ツール・ダルジャンで有名な古典技法。
| 月齢 | 約90日(3ヶ月)で出荷 |
| 飼育法 | 屋外放し飼い。水辺環境での自由飼育 |
| 締め方 | 窒息締め(プレッセ用は血を残す必要がある) |
| プレッセ技法 | 胸肉ロゼ+血と内臓のプレス → 濃厚ソース作成 |
京都の鴨文化は鴨川と深く結びつく。胸肉厚く脂の乗りが適度で和食・フレンチ双方に重宝。
青森産少量生産の銘柄合鴨。シャラン鴨に匹敵するとも評される国産飼育鴨の最上位ブランド。日本トップシェフ御用達。
日本食文化の根幹。天然は近年極希少。フランス料理でも古典食材で「アングイユ・マトロット(赤ワイン煮)」がエスコフィエの古典レシピに。
| 天然 vs 養殖 | 天然:体が締まり旨みが濃い。養殖:安定供給・脂が乗る |
| 旬 | 秋鰻(9〜10月)が脂の乗りが最良。夏は土用の丑の日が習慣的旬 |
| 締め方 | 活締め・目串刺しが鮮度維持の要 |
| 仏式調理 | マトロット(赤ワイン煮)・テリーヌ・スモーク |
✦ 随時データを追加予定 ✦
内田氏の食録に登場した食材の主要産地を、フランス・日本それぞれの地図上に示します。マーカーをホバーすると代表食材が表示されます。
🇫🇷 フランス産地
🇯🇵 日本産地
品種・産地・流通形態・締め方・仕入れ先など、食材ごとの詳細な属性階層を記録するシステムです。
✦ 食材階層エントリーは随時追加予定 ✦
✦ 随時データを追加予定 ✦