食材ガイド・調理技法

食材 & 技術

内田氏の日記に登場した食材を季節別・カテゴリ別に整理し、古典フレンチの調理技法とあわせて解説します。

50+ 食材エントリー
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12 調理技法
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5 カテゴリ
🗓 四季の食材 Produits de Saison
🌸
山菜(タラの芽・コシアブラ)
ジュンサイ
ホワイトアスパラ
グリーンアスパラ
春鳩
☀️
天然鮎(安曇川産)
ホワイトコーン
トウモロコシ(鳴沢産)
グリーンピース
宝石ハタ
ランド産小鳩
🍂
マツタケ
セップ茸(ポルチーニ)
ジロール茸
トランペット茸
新栗
青首鴨(ジビエ解禁)
香箱蟹
❄️
熊肉(ツキノワグマ)
イノシシ
黒トリュフ
牡蠣
天然ウナギ
下仁田葱
白トリュフ(初冬)

※ フランスおよび日本の旬を参考に整理。各店の仕入れにより異なります。

📊 月別 旬カレンダー Calendrier Mensuel
123456 789101112
ホワイトアスパラ
山菜(タラの芽)
天然鮎(安曇川)
ランド産小鳩
セップ茸(ポルチーニ)
マツタケ
香箱蟹
黒トリュフ
白トリュフ
青首鴨(ジビエ)
牡蠣
下仁田葱

最盛期 出回り期

🍄 きのこ類 Champignons
セップ茸
Cèpe / Porcini

フランス語で「セップ(Cèpe)」、イタリア語で「ポルチーニ(Porcini)」。肉厚で旨みが強く、フレンチではリゾット・ソース・ガルニテュールに多用される。東急セルリアンではブリオッシュを茸型に焼くほどシェフの愛着深い食材。

ジロール茸
Girolle / Chanterelle

アンズタケとも呼ばれる黄金色のきのこ。フルーティーな香りとほのかな胡椒感が特徴で、ジビエ料理のソースや付け合わせに欠かせない古典素材。

トランペット茸
Trompette de la Mort
秋〜冬

「死のトランペット」という物騒な別名を持つが、旨みが深く黒い色がジビエ料理に独特の視覚的効果をもたらす。鹿肉・鴨肉との相性が特に良い。

イワタケ
Umbilicaria esculenta
通年

岩に生育する地衣類(苔の一種)。滋賀・比良山荘の川料理に不可欠な山の幸。コリコリとした独特の食感を持ち、出汁との相性が良い。

🐟 魚介類 Poissons & Crustacés
天然鮎
Plecoglossus altivelis

安曇川産天然鮎は比良山荘夏のコースの主役。炭火焼きで一晩に7匹、蓼酢添え。「生まれて初めて」と内田氏が記録。2016ムルソーとの驚愕のマリアージュで知られる。

オマール海老
Homard Breton
通年

ブルターニュ産が最高とされる古典フレンチの主役食材。アムールでは「通行人を引き寄せるほどの香り」の濃厚ビスクで提供。

赤足エビ
Crevette rouge
夏〜秋

明石海峡産の高級エビ。甘みが強い。ラ・ジュネスでは低温ロテイで火を入れ、海老出汁×ミカンの2色ソースと合わせた。

カワハギ
Stephanolepis cirrhifer
秋〜冬

旨みが強く肝が特に珍重される。アムールでは昆布締めにして肝ソースをかけ、「美白」という料理名で提供された。

🖤 トリュフ・高級食材 Truffes & Produits de Luxe
黒トリュフ
Tuber melanosporum

ペリゴール産が最高品質。「三大高級食材」のひとつ。クロメスキには濃縮トリュフ液体が封入されている。

フォワグラ
Foie Gras
通年

フォワグラ=「太った肝臓」の意。詳細は料理Wikiのフォワグラ項目を参照。

🔪 古典フレンチの基本技法 Techniques Classiques
技法名 分類 解説 日記での登場
Poêlé ポワレ(フライパン焼き) 加熱 フライパンにバターを熱し食材の表面に焼き色を付けながら火を通す。ポワレ後にオーブンで仕上げる方法も一般的。 ラ・ジュネス(牛腿肉)
Rôti ロテイ(ロースト) 加熱 オーブンの乾燥した熱で食材全体を均一に加熱。鳥類・骨付き肉・大型魚に向く。バスティング(脂をかけながら焼く)が重要。 ラ・ジュネス(エビ)
Confit コンフィ(低温油脂漬け調理) 加熱 油脂の中で低温(70〜90℃)でゆっくり加熱。柔らかく旨みを閉じ込める。鴨の腿肉コンフィが古典的な代表例。 ロドラント(小鳩)
アムール(青首鴨)
Espuma エスプーマ(泡仕立て) 成形 サイフォンで素材を細かい泡状に仕上げる技法。プレスキルでは牡蠣スープのエスプーマを魚エキスで作成した。 プレスキル(牡蠣スープ)
Nage ナージュ(香味出汁) ソース・出汁 魚介・野菜・ハーブ・白ワインから取る軽い香味出汁。「素材をスープに泳がせる」イメージで提供する。 東急セルリアン(鮮魚)
Parmentier パルマンティエ(ジャガイモ料理) 料理様式 フランスにジャガイモを広めたパルマンティエ氏の名を冠する。ジャガイモ(または野菜)ピューレを使った料理全般を指す。 東急セルリアン(イノシシ)
Millefeuille ミルフィユ(千層) 成形 「千枚の葉」の意。薄くスライスしたジャガイモを層状に重ねてグラタン風に焼く「ジャガイモのミルフィユ」が古典的。 ラ・ジュネス(ジャガイモ)
Dauphine ドフィーヌ(ジャガイモの揚げ物) 加熱 ジャガイモのピューレとシュー生地を混ぜて揚げたガルニテュール。外はカリカリ、中は柔らかい。 トレフ宮本(鹿肉)
Tarte Tatin タルト・タタン(逆さタルト) 製菓 タタン姉妹が偶然発明した伝統タルト。カラメル化したリンゴを下に敷いて焼き、ひっくり返して供する。 ラ・ジュネス(リンゴ)
Crêpe Suzette クレープ・シュゼット(フランベ) 製菓・演出 バターとオレンジソースでクレープを温め、リキュールでフランベするテーブル演出デザート。プレスキルでは柚子風味で実演提供。 プレスキル(柚子風味)
Baba ババ・オ・ラム 製菓 ラム酒シロップをたっぷり含浸させた伝統菓子。ポーランド起源、ナンシー経由でフランスに定着。 プレスキル(小さなババ)
Brunoise / Julienne ブリュノワーズ・ジュリエンヌ(野菜の切り方) 下処理 ブリュノワーズ(2mm角の賽の目切り)とジュリエンヌ(細千切り)は古典フレンチの包丁技術の基礎。ソース・コンソメの浮き具材に使われる。
🦌 ジビエ(狩猟鳥獣) La Chasse — Gibier Sauvage

ジビエとは野生の鳥獣のこと。フランスではラ・シャス(狩猟)が文化に根付いており、秋の解禁とともに古典フレンチのメニューに登場する。日本のジビエは北海道・本州の山野を舞台に、蝦夷鹿・月輪熊・穴熊・猪などが供される。内田氏の日記は日本における最高水準のジビエ料理を数多く記録している。

哺乳類(獣類)
蝦夷鹿(エゾシカ)
Cerf du Hokkaido / Yezo Sika
野生 秋〜冬
産地北海道 ニホンジカ北方亜種 漁獲法巻き狩り・罠・狙撃

本州鹿より体格が大きく脂の乗りも良い。北海道全土に安定供給。ポワヴラードソースや赤ワインソースとの親和性が高い。

性別・月齢牡・2〜4歳が最良。牝は繊細な旨みあり
10月〜2月(解禁直後が最も良質)
締め方即殺・即血抜きが必須。首切りまたは放血
熟成枝肉熟成 7〜14日が目安(0〜2℃)
本州鹿(ニホンジカ)
Cerf sika du Japon
野生 秋〜冬
産地本州・四国・九州 ニホンジカ(原亜種) 漁獲法巻き狩り・罠・銃猟

蝦夷鹿より小柄できめ細かい肉質。比良山荘・トレフ宮本で登場。ポワヴラード+サヴァイヨン2色ソースで供された。

性別・月齢牡・2〜3歳。牝の方が脂肪少なく繊細な傾向
11月〜2月
締め方銃猟後の即放血が品質の鍵
熟成5〜10日の枝肉熟成
月輪熊(ツキノワグマ)
Ours à collier / Ours noir d'Asie
野生
産地本州・比良山系など ツキノワグマ 漁獲法罠猟・銃猟

比良山荘の冬名物。昆布+鰹+はちみつ出汁の鍋で提供。「野生なのに脂身が上品で全く臭みがない」と内田氏が驚嘆。

季節・個体夏熊(6〜9月)が脂の乗りが良く最良
部位背油付き薄切り(比良山荘スタイル)
出汁昆布 + 鰹 + はちみつ(20年かけて完成)
熟成—(鮮度が命)
穴熊(アナグマ)
Blaireau du Japon / Meles anakuma
野生 秋〜冬
産地本州・四国・九州 ニホンアナグマ 漁獲法罠猟

クマとは別種のイタチ科。秋に脂が乗り旨みが増す。フランスでは伝統的ジビエ。煮込みやコンフィに向く個性的な食材。

11月〜1月(越冬前に脂の乗りが最高)
調理法長時間煮込み・コンフィが向く
熟成3〜5日の熟成推奨
ヒグマ
Ours brun d'Hokkaido / Ursus arctos yesoensis
野生
産地北海道 エゾヒグマ 漁獲法銃猟(狩猟免許必須)

秋にサーモン・木の実を食べた個体は脂に甘みが増す。ツキノワグマより大型。強い個性ゆえ煮込み・塩漬けが向く希少食材。

最良季節9〜10月(サーモン期後が特に良質)
個体若い個体(2〜4歳)が食材として良い
調理適性長時間煮込み・テリーヌ・塩漬け
留意点旋毛虫(トリヒナ)対策として加熱必須
猪(イノシシ)
Sanglier
野生 秋〜冬
産地本州・四国・九州(佐賀・兵庫など) イノシシ 漁獲法罠猟・巻き狩り

豚の原種。ハーブ・柑橘マリネで旨みを引き出す。東急セルリアンではパルマンティエ、比良山荘では味噌仕立て鍋で提供。

個体若イノシシ(ウリ坊〜1歳)が最も柔らかく珍重
11月〜2月
前処理ハーブ・赤ワイン・柑橘での24〜48時間マリネ
熟成5〜7日の枝肉熟成
キョン
Muntjac de Reeves / Chevrotain
野生(外来種) 通年
産地千葉県・伊豆大島など キョン(外来種・特定外来生物) 漁獲法罠猟・銃猟(駆除目的含む)

中台原産の小型鹿が日本に定着。5〜15kgの小型で肉質は淡白・きめ細か。シカより野趣味は少なく繊細な調理に向く。

特記特定外来生物のため、取引には規制あり。駆除個体の有効利用
秋〜冬(脂の乗りが最良)
調理適性丸焼き・ロースト・テリーヌ。小型なので1頭丸ごと調理も可
鳥類(野禽)
雷鳥(ライチョウ)
Lagopède / Ptarmigan
野生 秋〜冬
産地北アルプス・立山など(日本固有) ニホンライチョウ(天然記念物)

日本産は特別天然記念物で食用禁止。古典フレンチでは欧州産グラウスを使用。山岳のハーブを食べた独特の芳香が特徴。

使用種スコティッシュ・グラウス(英)、ライチョウ(北欧)など
8月12日(英国グラウス解禁日)〜12月
調理法ロースト(伝統的な英国スタイル)・サルミ
熟成羽付き吊るし熟成(ハング)が古典的手法
青首鴨(マガモ・網猟)
Canard Colvert — Pêche au filet
野生 秋〜冬
産地宮城・愛知・鳥取など マガモ(野生鴨の最上種) 漁獲法網猟(投網・鴨場)— 散弾銃不使用

野生鴨の代表種。網猟で捕獲した個体は肉質が格段に上質。古典的なサルミソース・炭火焼きとの相性が抜群。

網猟の優位性散弾が肉に入らず、即締め即血抜きが可能。血のにごりがない
11月〜1月(渡り鴨として飛来直後が最良)
締め方頸骨脱臼(首折り)による即殺
熟成羽付き吊るし熟成 3〜7日(冷蔵)
ヤマシギ(ベカス)
Bécasse des bois / Woodcock
野生 秋〜冬
産地欧州(フランス・スコットランド等)・渡り鳥 ヨーロッパヤマシギ 漁獲法猟銃(スポーツ猟)

「ジビエの女王」。内臓ごとローストし、腸をカナッペに塗る古典調理が特徴。ソース・サルミの最高素材。

古典調理法内臓抜かずにローストし、腸をトーストに塗る(サルピコン)
10月〜12月(フランス解禁シーズン)
熟成羽付き吊るし熟成 5〜10日が古典的手法
希少性年々捕獲数が減少。最高峰の希少ジビエ
山ウズラ(ペルドロー)
Perdrix / Perdreau
野生 秋〜冬
産地欧州(フランス・スペイン) アカアシヤマウズラ / ウコッケイ型ヤマウズラ 呼び方当年雛=ペルドロー(最上品)、成鳥=ペルドリ

古典フレンチの定番ジビエ。若鳥「ペルドロー」が最上品。「ペルドロー・オ・シュー(キャベツ煮)」はエスコフィエの古典レシピ。

月齢区分ペルドロー(当年・3〜5月生まれ)が9〜11月に最良
調理法丸ごとロースト・テリーヌ・ブレゼ(キャベツ)
熟成羽付き吊るし 3〜5日
小鳩(ランド産)
Pigeon des Landes / Ramier sauvage
野生 夏〜秋
産地フランス・ランド地方 カワラバトまたはモリバト(野生) 漁獲法鷹狩り・銃猟(ランド伝統猟)

フランス南西部ランド産の至高の小鳩。胸肉ロースト+腿肉コンフィで二種類の食感を楽しむ。ロドラントでグリーンピース×巨峰と合わせた。

8月〜10月(ランド地方の解禁に合わせ渡りの時期)
調理法胸肉ロースト(サニャン=ロゼ仕上げ)+腿肉コンフィが古典的
熟成羽付き 2〜4日
雉(キジ)
Faisan commun
野生 秋〜冬
産地日本(本州〜九州)・欧州 コウライキジ(日本国鳥) 漁獲法銃猟

最も古典的なジビエのひとつ。ラ・ジュネスのジビエテリーヌでは鳩・イノシシ・鹿と4種のモザイク模様に使用。

性別牝の方が肉質が柔らかく上品。牡は羽が美しく料理演出に使用
10月〜12月(日本での解禁期)
熟成羽付き吊るし 5〜10日が古典的(フランス流)
調理法丸ごとロースト・テリーヌ・シヴェ(ワイン煮込み)
🥩 肉類(家畜・家禽) Viandes & Volailles d'Élevage

家畜・家禽は産地・飼育環境・性別・月齢・餌・肥育方法が品質を大きく左右する。和牛の銘柄や鴨のフランスブランドなど食材の素性が料理の格を決定づける。

牛 — Bœuf
近江牛(和牛)
Bœuf Wagyu d'Ōmi / Shiga
飼育・和牛 通年
産地滋賀県 品種黒毛和種(日本最古の銘柄牛) 肥育牝・去勢。肥育期間が長いほど霜降りが入る

日本最古の銘柄和牛。牝は上品な脂、去勢は力強い霜降り。肥育月数32ヶ月以上が最高等級の目安。古典フレンチでも低融点の脂が高く評価。

性別・月齢牝:28〜32ヶ月 / 去勢:28〜36ヶ月
稲わら・トウモロコシ・大豆粕ベースの配合飼料
格付けA5〜A4(BMS No.8〜12が珍重)
熟成ウェットエイジング 30〜60日 / ドライエイジング(近年増加)
主な部位サーロイン・フィレ・リブロース・シャトーブリアン
松阪牛(和牛)
Bœuf Wagyu de Matsusaka / Mie
飼育・和牛 通年
産地三重県松阪市周辺 品種黒毛和種(未経産牝のみ) 性別牝(未経産)のみ

「牛肉の芸術品」。未経産牝のみという厳格条件。極めて低い融点の脂が特徴で、フランス料理シェフにも高評価。

性別・月齢未経産牝のみ。肥育期間 900日以上が特産松阪牛の条件
良質な乾草・ビール粕・麦類の伝統的配合
格付けA5 BMS No.10〜12が最高峰(特産松阪牛)
特徴脂の融点が人肌以下で、口の中でとろける食感
田島牛
Bœuf Tajima / Maesawa
飼育・和牛 通年
産地兵庫県(但馬)・岩手県(前沢)など 品種但馬牛系統の黒毛和種 備考神戸牛・松阪牛・近江牛の素牛(もとうし)

神戸牛・松阪牛・近江牛の素牛となる但馬系統の黒毛和種。但馬地方仕上げの「但馬牛」そのものも最高品質として珍重される。

血統但馬牛系統。日本の和牛遺伝子の原点
特徴骨格細く赤身と脂のバランスに優れる。きめ細かい霜降り
位置づけ素牛として全国に供給される和牛改良の礎
国産牛(和牛以外)
Bœuf japonais non-wagyu
飼育 通年
品種ホルスタイン・交雑種(F1)・乳用経産牛など 用途ビーフシチュー・スープ・ブレゼなど煮込み向き

ホルスタイン・交雑種が主。赤身の旨みが強く、経産牛の長期熟成材はブレゼ・煮込みに最適。フランス料理の古典的ブレゼ用として活用。

ヨーロッパの牛
Bœuf européen — Charolais / Limousin / Normand
飼育(牧草肥育) 通年
主要品種シャロレー・リムーザン・ノルマン・アバディーンアンガス 飼育法牧草肥育(グラスフェッド)が伝統的

古典フレンチの基本。シャロレー(赤身の旨み)・リムーザン(万能)・ノルマン(脂のコク)。牧草肥育のミネラル感が古典の基本を支える。

シャロレーフランス・ブルゴーニュ原産の大型白牛。赤身の旨み強く、ロースト向き
リムーザンフランス中部原産。赤身のきめ細かさで高評価
熟成ドライエイジング 28〜60日が欧州標準
飼育牧草肥育が伝統。仕上げに穀物を使う場合もある
アメリカ・オーストラリアの牛
Bœuf américain / australien
飼育(穀物肥育) 通年
米国アンガス種・USDA Prime / Choice 豪州アンガス・ワギュー交配(Wagyu F1等)

USDA Prime(米)が最高格付け。豪州はグラスフェッドが基本だがワギューF1のグレインフェッドも人気。コストパフォーマンスの高さで日本でも広く使用。

豚 — Porc
豚(国産・ブランド豚)
Porc japonais / Porc ibérique
飼育 通年
主要品種ランドレース・大ヨークシャー・バークシャー(黒豚) 最上品イベリコ豚(スペイン・ドングリ肥育)

古典フレンチのシャルキュトリー文化の中心食材。国産黒豚(バークシャー)が高評価。イベリコ豚のベジョータ(ドングリ肥育)が国際的最高峰。

性別・月齢去勢牡・未経産牝が一般的。6〜8ヶ月が食肉適期
イベリコ格付けベジョータ(ドングリ)> セボデカンポ(混合)> セボ(穀物)
熟成生ハムは24〜48ヶ月以上の乾燥熟成(イベリコ)
古典用途パテ・テリーヌ・シャルキュトリー全般。ポー・カシェとして煮込みに
鶏 — Volaille
ブロイラー
Poulet de batterie / Poulet blanc
工場飼育 通年
品種コーニッシュ×白色プリマスロック交配 肥育期間約45〜50日(超短期肥育)

約45〜50日の超短期肥育で柔らかいが旨みは少ない。コック・オ・ヴァンや鶏のクリーム煮など、ソースで補完する古典調理に向く。

地鶏(JAS認定)
Poulet fermier / Coq élevé en liberté
放し飼い 通年
条件在来種×在来種50%以上・放し飼い・80日以上飼育 代表品種名古屋コーチン・比内地鶏・薩摩鶏

在来種50%以上・放し飼い・80日以上飼育のJAS基準。ブロイラーより旨みが格段に上。ロースト・ポワレで最も個性が際立つ。

三大銘柄名古屋コーチン(愛知)/ 比内地鶏(秋田)/ 薩摩鶏(鹿児島)
飼育日数80〜120日(ブロイラーの約2倍)
肉質締まった赤身・骨周りの旨み・弾力のある食感
古典向き調理丸ごとロースト・ポワレ・コック・オ・ヴァン
ホロホロ鶏
Pintade / Pintadeau
飼育(半放し) 秋〜冬
産地フランス(ブレス・ランド)・日本(国産増加中) ホロホロチョウ(アフリカ原産・家禽化)

鶏と野生鳥の中間的家禽。普通の鶏より赤みが強く野趣味あり。ブレス産ピンタードが最高品質。ジビエ的調理との親和性が高い。

月齢若鳥(ピンタドー):3〜4ヶ月が最良
飼育法半放し飼いが標準。完全放し飼いで野趣味が増す
調理法丸ごとロースト・コンフィ・クリーム煮(ブレス風)
鴨(飼育)— Canard d'élevage
シャラン鴨(プレッセ)
Canard de Challans / Canard Nantais pressé
飼育(放し飼い) 秋〜冬
産地フランス・ヴァンデ県シャラン 品種シャラン種(マガモ×家鴨の交配) 特殊技法プレッセ(血を搾って提供する古典技法)

フランス最高級飼育鴨。野生に近い環境で育ち旨みが濃い。「プレッセ(押し鴨)」はパリ・ツール・ダルジャンで有名な古典技法。

月齢約90日(3ヶ月)で出荷
飼育法屋外放し飼い。水辺環境での自由飼育
締め方窒息締め(プレッセ用は血を残す必要がある)
プレッセ技法胸肉ロゼ+血と内臓のプレス → 濃厚ソース作成
京都産合鴨
Canard aigamo de Kyōto
飼育 秋〜冬
産地京都府 品種合鴨(マガモ×家鴨の交配種) 文化京料理・鴨川の鴨文化と深く結びつく

京都の鴨文化は鴨川と深く結びつく。胸肉厚く脂の乗りが適度で和食・フレンチ双方に重宝。

銀の鴨(青森)
Canard aigamo d'Aomori — «Gin no Kamo»
銘柄飼育 秋〜冬
産地青森県 品種合鴨(銘柄鴨) 特徴少量生産・国内トップシェフ御用達

青森産少量生産の銘柄合鴨。シャラン鴨に匹敵するとも評される国産飼育鴨の最上位ブランド。日本トップシェフ御用達。

鰻 — Anguille
鰻(ニホンウナギ)
Anguille du Japon / Anguilla japonica
天然・養殖 夏(土用の丑)
産地鹿児島・愛知・宮崎(養殖主産地) ニホンウナギ(絶滅危惧種) 天然静岡・浜名湖・四万十川など

日本食文化の根幹。天然は近年極希少。フランス料理でも古典食材で「アングイユ・マトロット(赤ワイン煮)」がエスコフィエの古典レシピに。

天然 vs 養殖天然:体が締まり旨みが濃い。養殖:安定供給・脂が乗る
秋鰻(9〜10月)が脂の乗りが最良。夏は土用の丑の日が習慣的旬
締め方活締め・目串刺しが鮮度維持の要
仏式調理マトロット(赤ワイン煮)・テリーヌ・スモーク

✦   随時データを追加予定   ✦

🗺 産地マップ Carte des Origines

内田氏の食録に登場した食材の主要産地を、フランス・日本それぞれの地図上に示します。マーカーをホバーすると代表食材が表示されます。

🇫🇷 フランス産地

Corse Bretagne Landes Périgord Provence Bourgogne Alsace Normandie Paris
Bretagne 牡蠣・ホマール・魚介
Landes / Gascogne 小鳩・鴨フォワグラ・マグレ
Périgord 黒トリュフ・フォワグラ・セップ茸
Provence 白トリュフ・ジロール・ハーブ
Bourgogne エスカルゴ・ジロール茸・マスタード
Alsace ガチョウフォワグラ・シャルキュトリー

🇯🇵 日本産地

北海道 岩手・山形 石川 下仁田 安曇川 対馬 千葉沖
北海道 エゾシカ・熊肉・毛蟹
岩手・山形 マツタケ・山菜・イノシシ
石川 香箱蟹・のど黒・加能蟹
下仁田(群馬) 下仁田葱
安曇川(滋賀) 天然鮎
対馬 鯖・鮃・アオリイカ
千葉(房総沖) 鯖・伊勢海老・金目鯛
📋 食材階層データ Fiches Détaillées

品種・産地・流通形態・締め方・仕入れ先など、食材ごとの詳細な属性階層を記録するシステムです。

鳥類 ジビエ隣接
Foie Gras
フォワグラ
鳥種
鴨(カナール) 最も一般的。脂肪層が厚く風味豊か 主流
ガチョウ(オワ) より繊細でなめらか。アルザス・ペリゴール産が最高位 高級
流通状態
生(フレ) 入手困難・要迅速調理。風味最良 最高品質
チルド 真空パック。2〜5日以内使用 業務標準
冷凍(スュルジュレ) 急速冷凍品は品質差が比較的少ない
産地
🇫🇷 フランス AOC 産地多数
Landes / Gascogne IGP 取得。Rougié・Comtesse du Barry など主要メーカー Top
Périgord / Dordogne 黒トリュフ産地と重複。ガチョウ肝も有名 Top
Alsace ガチョウフォワグラ(フォワグラ・ドワ)の発祥地
🇭🇺 ハンガリー 生産量世界第2位。コスト面で優位だが品質にばらつきあり
格付け(仏規格)
Extra 400g 以上。傷・血管なし。均一な色。最高グレード Extra
Première catégorie 300g 以上。微細な傷は許容。レストラン業務用標準 業務標準
魚類 青魚
Maquereau
魚体規格
大(500g 以上) 刺身・〆鯖に最適。脂乗り最良 最良
中(300〜500g) 汎用。焼き・煮付け・テリーヌに適する
産地
🇯🇵 日本
対馬(長崎) 対馬近海の寒流育ち。脂乗りに定評。9〜12月最盛 最高産地
福井(若狭) 「へしこ」の原料産地。若狭湾産は身質安定
石川(七尾) 能登の早獲れ鯖。秋口に出回る
千葉(銚子・外房) 豊洲最大の集散地。通年流通
締め方・手当て
活け締め(即殺) 脳天刺し。ストレス物質最小化。刺身品質最優先 最上位
神経締め 活け締めに加え脊髄を破壊。鮮度保持時間を延長 Top
氷締め 漁獲後即座に氷詰め。加熱用に適する
仕入れルート
産地直送(漁師直・産直業者) 鮮度・産地情報・トレース最良。関係構築が必要 最良
豊洲市場(仲卸経由) 全国産地集積。仲卸の目利きで品質安定 業務標準
地方市場(地場卸) 産地情報は良いが安定供給に限界あり
手当した人・担当者
漁師(締め・血抜き) 一次処理の質が最終品質を左右する
仲卸・目利き担当者 流通段階での品質維持と選別を担う
シェフ・料理人(下処理) 下ろし・〆・ポーション。最終品質の表現を決める

✦   食材階層エントリーは随時追加予定   ✦

✦   随時データを追加予定   ✦