古典フレンチの前菜またはアミューズとして供されるコロッケ状の料理。小さなサイコロ型の衣の中に、フォワグラやトリュフの濃縮エキスを封入し、噛んだ瞬間に熱い液体が溢れ出す劇的な一品。
名称はポーランド語の「クロミェスキ(krokiet)」に由来するとも言われ、フランス王室の厨房で洗練された。現代では絶滅危惧種ともいえる古典料理の一つ。トレフ宮本では10日間かけて丁寧に製造される。
用語集・解説
内田増幸の食べ歩き日記に登場した古典フレンチの技法・ソース・食材・シェフを体系的に解説します。
古典フレンチの前菜またはアミューズとして供されるコロッケ状の料理。小さなサイコロ型の衣の中に、フォワグラやトリュフの濃縮エキスを封入し、噛んだ瞬間に熱い液体が溢れ出す劇的な一品。
名称はポーランド語の「クロミェスキ(krokiet)」に由来するとも言われ、フランス王室の厨房で洗練された。現代では絶滅危惧種ともいえる古典料理の一つ。トレフ宮本では10日間かけて丁寧に製造される。
ジビエ(狩猟鳥獣)専用の古典的ソース。鴨・鳩・雉などを半焼きにした後、骨や内臓を叩いてブイヨンや赤ワイン・コニャックと長時間煮込んで濾したもの。
この「内臓も無駄なく使い尽くす」という考え方が古典料理の真髄であり、現代の料理では失われつつある技術である。内田氏は「古典的スタイル、本当に美味しく懐かしい」と評した。
胡椒(ポワーヴル)を主体とした赤ワイン系の古典ソース。マリナードの残り汁(酢・赤ワイン・ミルポワ)を煮詰め、スポンジドミグラスと胡椒を加えて仕上げる。
鹿・猪・ノウサギなどジビエ全般に合わせられる。辛口でスパイシー、かつ肉の野性味を引き出す力強い風味が特徴。トレフ宮本では仙台牛の鹿肉にポワヴラードとソース・サヴァイヨンの2色ソースで提供。
シュー生地(パート・ア・シュー)にグリュイエールやコンテなどのチーズを加えて焼いた、フランス古典料理のアペリティフとして定番の一品。ひと口サイズで軽く、シャンパンやワインとの相性が抜群。
日記に登場する各店では独自のアレンジが見られる。ラ・ジュネスでは蟹・ホタテ・サーモンの3種のフィリング入りグジェールを提供。トレフ宮本では鶏の白レバーを詰めた大ぶりグジェールを供した。
ガチョウまたは鴨を肥育(ガヴァージュ)して肥大化させた肝臓。フランス料理の「高級三大食材」のひとつ(他はトリュフ・キャビア)。ミルク色で滑らか、特有の豊かな甘みと旨みを持つ。
テリーヌ・エスカロップ・ポワレなど多様な調理法がある。ラ・ジュネスではアラン・シャペルのレシピによる新栗とタピオカのクリームスープにフォワグラのガトー仕立てを添えて提供。ロドラントではコーンスープに沈めてカフェのような香りを対比させた。
陶製の型(テリーヌ)に肉・魚・野菜のファルスや層を詰めて焼成・冷却する料理。もともとは食材の保存を目的とした調理法だが、現代では繊細な断面の美しさを競う古典料理の花形的存在。
ラ・ジュネスで供されたジビエのテリーヌは雉・鳩・イノシシ・鹿の4種をモザイク状に組み合わせたもので、断面に大理石状の模様を作り出す高度な技術を要する。梨・柿・リンゴ・巨峰・梅干しのピクルスを添えて。
20世紀フランス料理の巨星。ポール・ボキューズ、トロワグロ兄弟らと並ぶヌーヴェル・キュイジーヌの担い手でありながら、古典の技法と素材への深い敬意を持ち続けた。ミシュラン三ツ星を長年保持。名言「料理は愛だ(La cuisine, c'est beaucoup plus que des recettes)」でも知られる。
神戸ポートピアホテルに「アラン・シャペル」の名を冠したレストランが設けられ、シェフ・小久江次郎(後のラ・ジュネス)、佐々木康二(後のプレスキル)ら日本の名シェフを育てた。
世界で最も模倣・オマージュされた現代フランス料理の一皿。20〜60種類以上の野菜・ハーブ・花をそれぞれ最適な火入れで調理し、皿の上に風景のように配置するもの。「畑から皿へ」という思想の象徴的料理。
ガルグイユはオーブラック方言で「野菜のごった煮スープ」を意味する。ブラスはこの素朴な農家料理を現代的芸術に昇華させた。本アーカイブが扱う古典フレンチとは系譜が異なるが、日記には複数の「野菜を主役にした前菜」が登場しており、その精神は共鳴している。
牛・鶏・ジビエなどのブイヨンをクラリフィカシオン(清澄化)で透き通らせた澄まし汁。挽き肉・卵白のいかだが濁りを吸着し、液体を通して底の文字が読めるほどの透明度が基準。
「ダブル・コンソメ」は旨みを極限まで凝縮させた版。浮き具材の種類で名前が変わる(ジュリアン・セレスタン・ブルノワーズなど)。
タラゴン・エシャロット・ビネガーのリダクションに卵黄とバターを乳化させた温製ソース。オランデーズの一族。グリル・ローストした牛肉の古典的付け合わせ。
派生:トマト追加 → ショロン / 肉汁追加 → フォワイヨ。
ポワヴラードにクリームとカシスジュレを加えた格上のジビエソース。鹿・イノシシ・野ウサギなど哺乳類ジビエの最高峰。
低温の鴨脂・豚脂・油の中でゆっくり加熱する調理法。組織を壊さず旨みを引き出し、しっとりした食感になる。元来は保存技術で、脂ごと密封し数ヶ月保存できた。
鴨腿肉のコンフィが最も有名。鴨砂肝・豚ばら・フォワグラのコンフィも古典的。現代のスービードはこの技法の系譜を受け継ぐ。
鶏をブルゴーニュ赤ワイン・ラルドン・マッシュルーム・パールオニオンと煮込む郷土料理。古典フレンチの「家庭料理を格上げした」代表的一皿。
バニラカスタードの上に薄い砂糖を焦がしたパリパリのカラメル層。スプーンでパリッと割る演出も含めた古典デザート。1691年の料理書に初出記録。
フィユタージュ(パイ生地)に包んだフォワグラ・トリュフの円形パイ料理。晩餐会の格式ある一皿。甘菓子版はアーモンドクリーム入りで同名。
ボルドー赤ワイン・エシャロット・ドゥミグラスのブラウンソースに牛骨髄(moelle)を加える。骨髄のコクが牛肉の旨みを最大化。ステーキ・アントルコートに欠かせない古典的組み合わせ。
牛の各部位・骨髄骨と野菜を長時間煮込むフランスの国民的料理。スープと肉野菜を別皿で供する。三ツ星シェフも「最高のポト・フー」を生涯の目標とするフランス料理の根幹。
ザリガニの殻をコニャック・クリームで煮出しザリガニバターで仕上げたサーモン色のソース。クネル・淡水魚・卵料理の古典ソース。
骨抜きの鶏・鴨などにファルスを詰め布巾で巻いてポシェ、冷製で供する。美しい断面が特徴。テリーヌとの違いは型を使わず皮を型にする点。ビュッフェの花形。
メレンゲをベースに折り込んでオーブンで焼き型から膨らませる。焼き上がりから2〜3分以内に提供必須。古典的美食のセレモニー的一皿。
料理スフレ(チーズ・ウニ等)とデザートスフレ(チョコレート・グランマルニエ等)の2種。
デミグラスにトリュフと白トリュフオイルを加えた黒いソース。トリュフの香りと味わいが特徴。ロースト肉、特にジビエとの相性が優秀。
オランデーズソースに生クリームをフォーレして軽く仕上げたソース。ふわふわで優雅。アスパラガスやポワッシェなど野菜・卵料理と好相性。
ベシャメルソースにグリュイエールチーズを加えたクリームソース。グラタンやクロケットの基本ソース。チーズの香りが心地よい。
野菜を細い棒状に切る技法。フレンチの基本カット。スープ、サラダ、付け合わせに使用される。
野菜を極小のサイコロ状に切る技法。ジュリエンヌよりさらに細かく、ダイスカット。
葉物野菜を細い千切りにする技法。ほうれん草やレタスなどを手早く切り、エレガントな食感を作る。
真空密閉パックで湯煎する加熱法。温度管理が極めて正確で、肉や魚を完全な火入れで調理できる。
低温での加熱法。肉の繊維を壊さず、旨み成分を逃さない。古典フレンチの『柔らかく仕上げる』という理想を現代的に実現した。
静かに熱した液体で加熱する調理法。水、ブイヨン、ワインなどで肉や魚を優しく火入れする。
焼き色をつけた食材を液体で蒸し焼きにする調理法。牛肉の塊やニンジン、玉ねぎなどに用いられる。
ブイヨンを煮詰めて粘度を高め、食材に艶やかな光沢を与える仕上げ技法。ニンジン、玉ねぎなどの付け合わせに用いられる。
とんがり帽子のような形の細目ザル。古典フレンチの厨房必須道具。ソースやブイヨンを濾して滑らかにする。
野菜を均一に薄切りにする手動スライサー。ジャガイモ、大根などをすばやく切れる。
大きな容器に熱湯を張り、その中に別の容器を入れて間接加熱する方法。ソース、クリーム、チョコレートなど温度管理が必要な食材に用いられる。
広く浅い金属製のふるい。粉砂糖をかけたり、裏ごしたりするのに用いられる。
フードプロセッサーの高級版。古典料理では上級シェフが導入を開始したが、伝統的には使用しない。ペースト・ムース類の製造を高速化。
プロヴァンス発祥の魚のスープ。様々な地中海の白身魚をサフランで煮詰める。ルイユとクルトン、フェンネルの香りが特徴。
白インゲン豆と豚肉をゆっくり煮込んだ、フランス南西部の郷土料理。濃厚でコクがあり、冬の定番。
仔牛や鶏肉を白いブイヨンで煮込んだ古典的なシチュー。卵黄とクリームで仕上げた白いソースが特徴。
フィッシュムースをポーションとして楕円形に成形し、スープに浮かせた料理。肌理細かく優雅で、古典パティスリーの技術が詰まった一品。
バターを何度も折り込んで層を作ったパイ生地。数百層に達する場合も。軽く、パリパリとした食感が特徴。古典パティスリーの最高峰技術。
牛乳に卵黄と砂糖、小麦粉を加えて火入れしたクリーム。ケーキや色々なお菓子の詰め物に使う。古典パティスリーの基本。
バター、水、小麦粉、卵で作る特殊な生地。焼くと膨張して空洞ができる。エクレア、シューアラクリーム、グジェールの素。
砂糖を含まない塩辛いタルト生地。バターと小麦粉を指でなじませて作る。塩辛いお菓子やキッシュに使用。
砂糖を含む甘いタルト生地。バター、小麦粉、砂糖、卵黄で作られ、フルーツタルトやフランボワーズタルトの土台。
全卵を湯煎で温めながら泡立てた、古典的なスポンジケーキ。バターを少量加えることで風味としっとり感を出す。
メレンゲにナッツの粉を加えた焼き菓子。アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピスタチオなど様々なバリエーション。層状に積み重ねてケーキの台に。
砂糖をキャラメル化し、ナッツを加えた脆い焼き菓子。冷ます前に形作られ、フィナンシェやパイの装飾に使われる。
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